進行した錆び
一般的な錆止めに変性エポキシ錆止めがありますが、ここまで錆が進行すると少々心もとないです。
強力な錆止めに重防食で使用するジンクリッチ(亜鉛末系)錆止め、錆転換型錆止等があります。しかしジンクリッチ系は作業性に難点があります。
錆転換型はコストが高いので一般的ではありませんが、小面積を塗るのであれば水性の1液タイプで上塗りも選びませんので推奨です。
ホーローバスの防錆
弊社使用の錆転換剤はシルバー色です。アルミ紛も含有しています。アルミ紛も防錆剤の一種で鱗状の被膜を作り防錆します。
錆転換とは赤錆→黒錆に転換し錆の進行を止めます。よって錆部のみにタッチアップで刷毛塗り塗布します。錆部は錆転換剤→エポキシパテ→ベースコートの工程となります。
弊社の請負い施工でも深い錆部にはこの転換剤を使用しております。
浴槽の錆部は小面積ですので弊社では少量を小分け提供させて頂いております。
浴室塗装に使用する刷毛
バスタブを刷毛目無く刷毛ムラ無く塗りたいのですが、
艶がある塗料ほど粗が目立ち、なかなか満足いく仕上がりには成らないのが刷毛塗り作業です。
刷毛とバスタブの相性も仕上がりを左右します。
〇刷毛目の出にくい毛先長目の柔らかくしなやかな刷毛。
〇抜け毛が多いと途中で作業が中断し刷毛ムラが出やすいので抜け毛の少ない刷毛。
〇溶剤用又は万能刷毛。
〇刷毛がホコリやゴミを噛んでいると仕上がりがブツ肌になります。
以上を考えると天然の刷毛よりは溶剤用樹脂刷毛、ナイロン刷毛となります。
手慣れた職人さんは10�冑�の刷毛でスピード感をもって塗られる方もおられますが、一般には5�冑�前後の刷毛が扱いやすいのかと思います。
小刷毛でないと塗りにくい金物周りもありますので目地刷毛も必要です。
2度塗り目は新しい刷毛を使った方が綺麗に仕上がりますので事前にご用意願います。
ピンセット
刷毛塗りには多かれ少なかれ抜け毛が付き物です。
なかなか普段の塗装では用意しないピンセットですが、繊細な精度を求めるバスタブ塗装には必需品です。
ちょっとしたゴミ噛みにも威力を発揮します。
パイロキープ(シリコン塗料)の刷毛塗り要領
〇多くの手返しをすることで刷毛ムラになりやすいです。
〇一度塗った箇所を時間差を置いて塗り直した場合、刷毛ムラになりやすいです。
〇下地が刷毛を引っ張らない為に素地は十分に清掃をしておきましょう。2回目の
重ね塗りは1回目が十分に硬化していると刷毛がスムーズに走り綺麗です。(重ね塗りでは刷毛が引っ張られ気味で難易度は高いです)
〇膜厚が付きやすい塗料ですので縦面(壁面)を塗る時に塗料を乗せすぎると後ダレします。後ダレしない均一な塗り量で塗布して下さい。
〇シンナーは多目で薄塗りがレベリング良く綺麗に塗れます。塗布量も一定でダレも 返って少ないです。時間の経過でシンナーが飛んで塗りにくくなってきたらシンナーを追加しスムーズに刷毛が良く滑る様、再調整して下さい。写真の様に軽やか に刷毛を送ります。均一な艶感が出ています。
刷毛塗りに手慣れて無い方では経験と手慣れが必要な作業です。
上の事を考慮しつつこまごまとは塗らず一定のスパンを直線的に集中して塗り切るのが綺麗のコツです。
極力無理な体制で塗らなくても済むように、どこから塗り始めどこを最後に塗り終わるかを考えながら塗ります。
一般には奥から手前に塗り、手前で塗り終わります。
業者様では刷毛塗り塗装もおられますが、吹付け塗装が大半です。よってプロ仕様の塗料と思います。
業者様ではクリアートップ仕上げは多いです。仕上げ肌は安定します。
仕上がり肌の精度を強く求められる場合は推奨です。
パイロキープの艶感
パイロキープはシリコンリッチなシリコン系塗料です。他の樹脂では出ないホーローのような艶感が特徴です。
各種物性も特筆物なので手塗り作業性さえもっと簡単だとこの上ない塗料なのですが。
上記の通り癖のある塗料です。要領は事前にテスト塗り確認して頂きたく思います。
因みに土木、橋梁、床、街路灯等では泡を噛みながらもローラーでガンガン塗っておられますが、仕上がり精度を求めるバスタブ塗装ではそうは行きませんので。
現場調色
余談ですが、パイロキープもバスピュアコートも溶剤系トナーでの調色可能です。
白ベースの場合、淡中彩色までの調色は可能です。
弊社ではハイコンク溶剤用を使用しております。
ブツ発生箇所
何だかの原因で発生したブツです。
これの修復をしてみます。
コンパウンドで消える程度のブツやザラツキであれば、コンパウンド細目〜粗目で。
今回のブツは少々大きいので、ジスクペーパー♯2000番(極細目、微粒子ペーパー)
を使用して部分研磨してブツを平滑にしました。
極細目、微粒子ペーパーでの研磨後です。
微粒子ペーパーとはいえ一旦は艶が消えた状態になります。
ジスクペーパー使用は粗いほどコンパウンド等での艶戻しには手間取ります。
手掛けポリッシング
カーショップで買ってきたコンパウンド粗目・細目とウエスを使用して艶の消えた部分を手掛けでポリッシングしました。
鏡面仕上げ
それなりに手は掛かりましたが、ブツもザラツキも無い艶感のある鏡面に仕上げる事が出来ました。(今回はバスピュアコート、ローラー塗りの仕上げ作業ですが、全ての塗装仕上げに共通です)
パイロキープはシリコン塗料の為塗膜が柔らかいです。研磨作業やポリッシング作業する場合は十分な硬化時間が必要です。
パイロキープは強靭な塗料の為、耐薬品/耐溶剤塗料としてのご要望が多い塗料です。
但し、さまざまな条件、ご要望の中でどれだけ保ちますか?と聞かれて
一部のデータを提示させて頂いても中々実際のイメージとはなりません。
よって実際の薬剤を使用して虐化テストを現場で行って頂き耐久性を判断して
頂くケースも多いです。
耐薬品/耐溶剤仕様ではTS2000+TS-FXクリアーの組み合わせが標準となります。
この仕様は落書き対策、耐汚染仕様としても使用します。
TS2000+TS-FXクリアーの試験用塗板作成中です。
塗板が小さい為、今回は30�佗�の溶剤用ナイロンの小刷毛を使用しての塗布です。
弊社ではパイロキープTS2000の塗装では硬化促進剤 2%添加で作業します。
TS-FXクリアーの場合、硬化促進剤を添加すると極端の使用可能時間が短くなりますので
基本は促進剤は添加しません。
但しTS-FXクリアーは大変タック切れの悪い塗料の為、又今回は極小さな塗板作成の為
0.2%とゆう極少量を添加して作業を行いました。
ここらへんの微調整がパイロキープの特殊性ではあります。
これから気温が高くなり慣れないうちは、施工時間に余裕を持って添加無しを選ばれる方が良いかもしれません。
硬化促進剤の添加は小面積塗装の場合5gとか10gとかの微量の添加もございます。
硬化促進剤を添加される場合は必ず料理用精密秤、5gスポイド等を使用して頂き
正確計量にてご使用願います。
パイロキープの塗装後の刷毛はシンナーを交換して手もみで2度洗いします。
簡単な洗いでは大抵使用不可となります。
耐薬品/耐溶剤性が強い反面、どんな強溶剤でも戻らないやっかいさもあります。
刷毛ももったいないので一生懸命洗って次に戻りやすくするため刷毛先を広げて
保管するのですが、それでも戻らず使い捨てになってしまう場合が多いです。
ごわごわの刷毛で無理無理塗装したら綺麗な仕上がりになりません。
ご了承願います。